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アメリカ在住の日本人が綴る、学んだ英語、出会った言葉、日々の疑問など

精神科に行ってきた

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 生まれて初めて精神科という所に行った。ぐったり疲れた。

 ちなみに私自身のためではなく、ここ数か月恐ろしく行動が狂暴化している我が家の重度自閉症児のため。

 最近は、「Metal Health」とか「Psychiatry(精神科)」とかそういう呼び方じゃなくて、「Behavioral Health Clinic」とかいう名前にしている医院が多くなったきた。問題行動外来、みたいなニュアンス? そのほうが、アルコール中毒とかうちの子みたいな発達障害による問題行動とか、広範囲な症状を含めやすいということなのかな。

 でもやっていることは、多分従来の「精神科」とおんなじじゃないかな。精神科の先生とか看護婦さんに会って、要は「薬を出してもらう」、これです。

 自閉症児の親になって驚いたことのひとつに、自閉症の治療・回復・改善と担当するのが、医者じゃなくて心理学者、心理療法士ということだったんだけど、彼らにできなくて医者にできること、それが「薬を出すこと」。

 行動療法など薬を使わない方法でどうにもできない段階、あるいはそういった薬なし療法に空きが無くどうにもできない状況の場合、精神科に行って少しでも子供を落ち着かせてもらうために薬をもらうことになるわけだけど・・・。
 
 今ね、精神医療も非常事態なんですよ~、パンデミックのせいで。

 コロラド州の児童精神医療業界は、非常事態宣言を出したって。

 パンデミックは特にティーンをハード・ヒットしたようで、自殺願望と戦う中高生たちへの医療の提供でもう精神科が追っつかなくなっているそうです。

 私の住んでいる地域もどうしてこうなった!?という感じで、精神科に予約とろうとしても「3か月先ですね」とか。自閉症関連のセラピーは何年も待ったり、「新規の患者は受け入れていません」だったり。

 私は小児精神科に予約をとるための電話で涙声で、

「キャンセルが出たらすぐに連絡下さい。子供が自分を傷つけたり、周りの人に怪我をさせたりするかもしれないし、怖いんです」

と訴えましたよ。

 そうしたら、どうしてもやばかったら精神科の緊急外来かERに行ってくれって。そうかそういう手があるのか・・・とその時はなるほどーなんて思っただけでしたが、我が子にもついにそうするしかない段階が来て、連れて行きました。
 緊急度で言うと、ER(Emeregency Room)>緊急外来(Urgent Care)>予約して行く精神科、という感じなので、いきなりERに行くのはどうかと思い緊急外来に行ったんですけど・・・。

 体は健康でちゃんと歩けるのに、駐車場でひっくり返って寝られたりすると動かせないから、車椅子に乗せて連れて行くしかない。 病院の入り口で、びっくりしたのが、警備員に金属探知の検査されたこと。武器を持っていないか、それを調べるための専門の人がいるとは。でも、医療従事者にとっては、精神的に不安定な人が銃とかナイフとか持ってたら、もう命に関わるもんね。

 あとは、問診票が「自死」に関わる質問だらけだったことでしょうか。既往症を問うとかじゃなくて、「死にたいか?」「過去2週間で自殺を試みたか?」「方法を考えたことはあるか?」等々、要は「自ら命を絶つリスクを測る」ための質問にしぼられているのです。 緊急外来の一番の優先事項がなんなのか、よくわかる問診票でした。

 そういう外来の何がいやって、予約じゃないから順番が来るまで待つことですよね。「あと何分待てばいいよ」と先行きを示して落ち着かせることもできない。先が分からないと不安がピークに達する自閉症児には地獄・・・。病院に行ったら殺される、くらいの恐怖を真剣に抱いているみたいだし。(うちの子は会話ができないので私の推測に過ぎませんが)

 しかし、どれくらい待つのか・・・という心配は結果的には要りませんでした。ストレスが極度に達したのかうちの子、待合室で15分くらいしたら暴れ出してしまって。叩くわめく床に転がるテーブルに上がる等の攻撃的な奇行を始め、車いすに固定しようとしたらシートベルトのバックルがバキッと折れ・・・なんのためのシートベルトだよ、まったく・・・。

 今はこうして振り返って落ち着いて書いてますが、その時はもう私もあわわあわわとなっていて、待合室の雰囲気も凍り付き、修羅場を察したのか、すぐに中の診察室に入れと通されました。

 で、職員さんにすごく怖い顔で、

「ここでは、すぐにそういった症状を落ち着かせることはできません。すぐ隣に専門のERがあります。そこに行けますか? すぐに入院できますよ。様子をモニターしながら投薬できるので、比較的すぐに症状に対処できます!!」

と言われ・・・。確かにその時も頭に壁をゴンゴンしたり、私を叩いたりしていたんだけど、私にとってはこのところいつものことで、慣れっこだったので、職員さんの恐怖の表情を見て初めて、

「ああ、そうか、そんなにひどくなったんだな。知らない人が見たら、びっくりして入院させろってすぐ言うくらいひどくなってたんだな」

と茫然と認識した。こんな状態で学校に送り出して、みんなに迷惑かけたり、この数か月はほうぼうに謝りとおしだったもんなあ・・・。どうしてもっと早くなんとかしなかったんだろう。

私もすごく怖くて疲れていたけれど、せいいっぱい、

「いつもこうじゃないんです。今は慣れない病院でこんなふうになっているけれど・・・、夜に全然眠れていなくて、頭を壁に打ちつけたりしているせいで、昼間のストレスもひどいのかもしれません。睡眠を改善したり、できることをもう少し自宅でやらせて下さい。そのための薬や、治療やアドバイスはありますか? 入院は、Last Resort(最終手段)のように思えます。」

と下手な英語で伝えました。

 その後も、本当にだいじょうぶか、自宅で面倒を見切れるのか、自身や他人を傷つける危険を感じたらすぐにERへ行け、等言われ、何人ものセラピストやナースに同じようなことを説明し、何時間もかかって薬を処方してもらって解放され・・・。 リスペリドン(リスパダール?)って統合失調症のお薬だと思っていたけれど、自閉症にもつかわれるんですね。やはり、両者は何かつながりがある、「脳の障害は全部同じスペクトラムの上の違う場所に過ぎない」説は本当だと思いました。

 しかし、つくづく思った・・・。

 精神科は、精神的に元気じゃないと行けない!!

 もうね、精神的に参っている人が精神科に行くのは、ハードル高過ぎます。

 昔、コントで、老人二人が病院の待合室で、

「○○さん、こんにちは~」
「あら△△さん。今日も病院混んでますね~」
「ええ本当に~、アッ、××さんが来ていない。」
「××さん、病気かしら。怪我かしら。」

とかしゃべっているのがあったけれど、ほんとそれ。

 精神的に本当にやばい状態だったり、行動が狂暴化していたらね、もう家から出られない、出せないんですよね。そうなる前に、もっといろんな医者に会っていてもよかったなと今は思う。

 うちの子、外に出せない・出られない、の一歩手前だから。

 そういう人のために、Tele Healthっていうコンピュータ越しのサービスもあって、次回、お薬がどう効いているか今後どう調整していくかに関する診察は、そのTele Healthでやるか、ということになっている。本当に本当に助かります。

 長い長い夏休み(87日間!!)、私ももう一度最初からやり直すつもりで、子供と向き合ってみようと思う。気合でどうなる問題でもないんだけど、夏休みが終わるまでに少しでも回復させてあげたい。

 でも私に、できるんだろうか・・・?